マンガばっかり

マンガ批評

ひとりでしにたい

★★★★

カレー沢薫のマンガ。
憧れだったカッコイイ独身女性だった伯母が風呂でドロドロになって孤独死したことから、35歳の学芸員山口成海が官庁から出向中の年下独身男子・那須と共にこれから確実に老いていく自分とどう向き合っていくのかを考えていくという学習漫画
学習漫画という言葉が出て来てしまったが、文字情報が多く、ストーリーは、それこそ学習漫画の中にあったようなものであって、それは読者を飽きさせないための挿絵のようなものだ。
絵も、「マンガ!」というほどにテクニックの冴えたものに感じられないが、それでもビシバシと迫ってくる感じは、なかなかよいと思う。
甘くはないぞ! しかし、人生って、そこまで捨てたもんでもないぞという確信! そういったものがきちんとあるので、ただただ悪やら悲惨さを暴露するだけで終わるマンガにはなっておらず、そのあたりは立派だと思う。
いかにもなタイトルから「あぁ、そっち系か」と思う人も少なくないと思うが、必要以上にネコネコ書いていたりするあたりも含めて、悪くないと思う。

(No.1345)