マンガばっかり

マンガ批評

音盤紀行

★★★★

毛塚了一郎によるレコードにまつわる短編集。
それぞれがちょっといい話すぎて、1巻を読んだだけでの感想では、少し甘い感じもするのだが、悪くないと思う。
しかし、こういうレトロなものの世界の中で生きていると(過去の文学作品についてあれこれ書いていたりする…)、マニアックなファンという人はいて、それはそれでありがたいのだが、やっぱりそれだけではなかなかオマンマ食べていけないのが現実で、どうしても時流に合わせていかないといけない部分が出て来てしまう。
ネットの記事などでは一人出版社だとか音楽テープだけを売っている店などが紹介されており、いいなぁ、と思うと共に、大丈夫なのだろうか、と他人事ながらに思ってしまう。
楽しいことをしない人生は虚しいと思うのだが、楽しいことだけでは、なかなか人生を回していくのも難しく、つまり自分には、そうした度胸も才能も、それぞれにないのかな、などと思ったりもする…

(No.1349)