マンガばっかり

マンガ批評

ノラと雑草

★★★★★

真造圭伍のマンガ。
崩壊した母子家庭の一人娘・詩織は身を売りながら生きている。
彼女とそっくりの娘を海難事故で亡くした警部補・山田は、娘のようにしたくはないという思いもあってなんとか詩織を保護しようと努めるが、詩織も娘の代役にさせられているのではないかということに気付いて山田に怒りを爆発させる…
エンタメとしても十分に通用するが、現代社会の問題点についてもきっちり描き込んでいて高く評価できる作品だと思う。
日本のマンガやアニメの数十パーセントがエロやグロテスクで成り立っているのは事実だが、それだけで終わってるわけではないのですよね。
同じ作者による『ひらやすみ』とは、違ったトーンであるが、これはこれで秀作かと思う。

(No.1364)