マンガばっかり

マンガ批評

ブルーロック

★★★

金城宗幸・ノ村優介のサッカー漫画。
僕たちがやりました』などの原作で知られる金城と諌山創『進撃の巨人』のアシスタントをしていたノ村が組んで描いている人気作品。
アニメも2期目、劇場版も予定されているらしい。
サッカー漫画なのだが、そこはゲーム仕立てで、次々に出てくる課題をこなしながら世界一のストライカーを目指すというもの。
サッカーといいながらも、つまりは王道ものである。
必殺技が繰り出されるシーンでは「剣撃墜弾(ソードクリュー)」などというルビつきで2ページを使った絵が展開されたりもするのだが、どうにも試合に次ぐ試合で、そして一試合ごとに選手たちは覚醒し、どんどん強くなっていきすぎる!
ちょっと覚醒しすぎだし、覚醒がインフレになりすぎて「もう、いいか…」という気分になってしまう。
人気マンガというのは、やはりこういう風にいかないといけないのだろうか?
少し気弱なピッチャー・三橋廉がキャッチャー・阿部くんに励まされ(脅され)ながらも勝ったり負けたりしていくような、そういうことこそがスポーツの現実なのではないかという気がするのだが、どうもやはり世の中全体としては、スポーツのリアリティよりも、超絶世界の超絶進化や超絶必殺技の連発がウケるようである。
人間が描かれていない、などというと、それぞれの登場人物は少年時代のトラウマや持病を抱えながら頑張っている、という反論も聞こえて来そうだが、どうにも後付けだし、必殺技のスパイスに使っているようにしか自分には感じられないのだが…

(No.1365)