マンガばっかり

マンガ批評

鳥人大系

手塚治虫漫画全集(94)
★★★
手塚治虫の長編SF。
失敗作というべきではないのだろうか?
少なくともこれを好きだという人はあまりいないように思う。
こんなバカバカしい連載をいったいどこが許してくれたのだろうかと思いながら読んでいたが、『SFマガジン』であった。
なるほど、ああいう雑誌になら書けるかもしれない。
手塚は他の出版社よりも原稿料の安いSFマガジンに喜んで書いていたというが、納得できる。
これはいかにも読者サービスに乏しいマンガではあるが、『火の鳥』にも通じる骨太のSFで、完成度は極めて高いと思う。
ただ、「人の進化の後に鳥の時代が来る」という想定が、ありがちであるし、鳥たちもやはり亡びていったと言われても、あぁよくある話だねという程度のものでしかない。
もっともこれが1970年に書かれていたということを割り引いて考える必要はあるのかもしれないけれどあまりにもデジャヴュ感…

またまた重複した記述を見つけたので追記しました。