マンガばっかり

マンガ批評

ぼく、オタリーマン。


★★★★
現役SEのよしたにによるサラリーマンマンガ。
20代のサラリーマンたちが、どんな風に日々を過ごしているのかが描かれていて興味深いと思う。
考えてみれば、新聞等に連載されているサラリーマンの日常の悲喜劇を描いたマンガは、アサッテ君やらこぼちゃんやらの世代から、次世代への受け渡しがされていない感じがあるので、ようやく「来たぁ」という感じである。
ただ、この本が評判になっているのは、サラリーマンであることよりも、「オタク」の方だと思うのだ。
なのに、これが全然はずしているのだ!
イマドキ、DSをおもしろがるのも、会話の端々にガンダムのセリフを織り込むのも当たり前のこと。
そんなことをオタクだなどと騒いでいたら、オタクじゃないやつはいったいどこにいるっていうんだろう?!
オタリーマンじゃなくて、いけてないサラリーマン、サラリーマンの自虐ネタというのがこのマンガの真骨頂であって、そこを誤解したのかウソをついたのかは定かではないながら、タイトルとしてしまったのは批判されてしかるべきだと思う。
値段は175ページの本なのに952円+税。
う〜ん、イマドキ風の高値… と思いきや、実はWEBで連載しているままの全ページ・カラー!
フルカラーでなければ表現できないという絵柄ではないし、フルカラーでなければ面白みが表現できないというものでもないとは思うが、これは近年のマンガ界からすれば嬉しい驚き。
表紙にも帯にもそんなことは一言も書いていなかったけれど、中身を確認してから買うことができない昨今のマンガ事情からすれば、こういう本の作り方、売り方も、中経出版というマンガ慣れしない出版社ならではの戦略ミスではないかと思ったりする。
内容はこれを見ればほぼわかります。
http://dancom.jp/archives/