マンガばっかり

マンガ批評

1限めはやる気の民法


★★★★
よしながふみが、今は無きBL系出版物で有名だったビブロス社の雑誌「BE×BOY」に90年代に分載したもので構成された1巻と、同人誌に分載したもので構成された2巻。
舞台となっている「帝能義塾大学ア法学部」が、どうもどこだかの大学と似ているなぁと思って調べたところ、よしながふみ自身が慶應義塾大学法学部、そして大学院の出身ということらしく納得…
作品の中で述べられる民法の諸説もいかにももっともらしいと思っていたのだけれど、どうもそういうことだったようである。
作品としては、いかにもBLの王道なのだが、そういうジャンルが存在していることを知らない人が読めば、「あぁ、なるほど」と思えるような作品に仕上がっている佳作であると思った。
が、女性はいかにもぶっきらぼうに描かれるのみで、ホントに興味ないんだなと思う。
これもまたよしなが的というべきか…
2巻などはポルノグラフィ以外の何物でもないが、それにしては現実世界のディテールや心理も細かく描かれていると思った。