マンガばっかり

マンガ批評

土星マンション


★★★★
岩岡ヒサエが2006年から「ikki」に連載しているマンガ。
未来ものにしては妙にレトロで、時代を未来に設定する意味があったのか… と思うようなマンガだけれど、『ルサンチマン』の設定で、2015年が意外にフツーであったように、案外、人間の生活というのは変わるところは変わっても、変わらないところは変わらなかったりする(そういえば、攻殻機動隊にもそんなフレーズがあったな…)。
そういう未来の人情ものとしてなかなかクールでいてウェット。
あんなマンションを作る技術があれば、窓拭きくらいは簡単にできるようになってるわ! というようなところでひっかかりさえしなければ、なかなかいいマンガであったと思う。
ただ、いい人/悪い人(いわゆる悪人は出てこないけれど)の色分けがくっきりしすぎていて、奥行きが浅くなってしまっている感じがした。