マンガばっかり

マンガ批評

キャンディ・キャンディ


★★★★★
いがらしゆみこ画、水木杏子原作の超有名マンガ。
しかし、著作権は原作者にあるのかマンガ家にあるのか… ということで決着がつくことなく(裁判としては決着がついているのだけれど)今にいたり、名作の誉れが高いながらもマンガが店に並ぶことも、アニメがテレビで再放送されることもないというお蔵入りマンガ。
今ならちょっと古書店を探せば、まだ買えます。
初めて通読して思うのは、やっぱり原作がいいんだろうな、ということ。
捨て子のお転婆娘(これ、死語だな)が大富豪の養女となり、イジメられたり、恋をしたり、失恋したり、でも友人は多く… という21世紀ではなかなかやることのできない「お約束」をオンパレードさせた少女マンガだけれど、それが薄っぺらくないのがいい。
「お約束」の批判をおそれず、現代のマンガ家も、こういうのを描くといいのではないだろうか?
韓流ドラマが受けたように、しっかりしたお約束ドラマというのは、やっぱりいつの時代にだって待たれているのだと思う。
ことさらに歴史物めいてペダントリーをひけらかすこともなく、第一次世界大戦を交えたり、エンディングも甘甘のハッピーエンドにしないあたりもとてもオトナでよかったと思う。
下手に続編がないのもすがすがしい!
まぁ、作りようもないのだけれど…