マンガばっかり

マンガ批評

キャプテン翼


★★★★
高橋陽一のサッカーマンガ。
朝日新聞でマンガが実際のスポーツ与えた影響に関する特集を組んでおり、その中に取り上げられたことから読んでみた。
もちろん「キャプツバ」が多くの少年、そして多くの少女(腐のね…)の人気を集めたことは知っていたが、これを読んでサッカーを始めたJリーグの選手どころか、デルピエロジダン、トレゲゼ、インザギたちまでこのマンガの影響を受けたといい、日本に優秀なMFはいてもFWがいないのはキャプツバのせいだとも言われているらしい。
また、翼がスペインリーグのバルセロナに所属することになると、レアルマドリードは、「なぜツバサをレアルにいれなかったんだ」とコメントしたとか…
通読して思うのは、言ってしまえば、ジャンプ流の小学生大会→中学生大会→ジュニア大会… とだんだんと規模が大きくなり、それにしたがってどんどん必殺技を身につけていくというパターンだ、ということ。
そうしたジャンプマンガと同じように、ゴールの支柱にボールをぶつけて破裂させたり、仰向けになった選手の足の裏をつかってジャンプさせたり… というマンガチックな必殺技も多いが、それでもまぁまぁ、この3次元世界において有りえるかなというくらいに抑えているのが良心である。
ジュニアユース大会での優勝に至る栄光への道も、とってつけたようでなく、また、単に根性と友情だけではないように描いているのも見事だと思った。
そして、なによりもサッカーの試合を長すぎず、短すぎずに描いているところが、この作品が成功した最も大きな理由であろうと思う。
ただ、読んでいてウザイと思ったのは、選手たちにつきまとうマネージャー女たちである。
何の魅力も感じられないし、全く余計である。
翼は最初から最後までサッカー以外は頭にない少年として描かれているのに、そんなやつの頭にどうして早苗ちゃんの入り込む余地があったのか理解不能
「一生懸命に応援してくれてありがとう」とは言えても、彼女が翼にとってかけがえのない人になってゆく描写は全くない。
もし、そうした要素も盛り込みたいのなら、もっと翼の人間くささ、例えばサッカーだけをやっていていったい何の意味があるんだろうとか、頭をもたげはじめた性欲についてどうしたらいいんだろうとかいうことを描く必要があったと思う。