マンガばっかり

マンガ批評

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Naruto

★★★★岸本斉史の人気コミック。じわじわと35巻まで読破!夏目房之介が絶賛していたけれど、確かにただのジャンプ風の戦闘マンガではない。35巻になるとさすがにデジャビュ感に囚われることもあるものの、1巻で示された大きな展望の元にたくさんの人物が…

キャットストリート

★★★★神尾葉子の人気マンガ。天才子役タレントとして活躍していたケイトが、周囲との齟齬を感じるようになってひきこもり、フリースクールに通いながらだんだん自分をとりもどしていくという話。まだまだ続くのだが、「花より男子」の著者とは思えないほどの…

fine.

★★★★★信濃川日出雄による美大生を描いたマンガ。美大生というのと、今はハチクロがメジャーだが、これはもっと美術をマジメに考えているfine artの話。大学卒業後もファイン・アートの作家を目指して頑張っている諦めきれない男・上杉が主人公。才能があるか…

カズン

★★★★★いくえみ綾がzipperに連載していたマンガ。このほど3巻が出版され、無事に完結した。カズンというのは、主人公・つぼみのいとこのノニのことで、登場回数は少ないが、モデルとして大人気の彼女の存在がつぼみを焦らせたり、安心させたり… という微妙な…

大阪ハムレット

★★★★文化庁メディア芸術祭優秀賞受賞の森下裕美作品。なんだか、これって文部科学省推薦映画みたいで、いい気がしないんだけど、まぁ、いいや。奈良県出身のマンガ家だけに大阪弁が生き生きしている(ちょっと古い気はするけど)。大阪の人情ものというと、…

少女革命ウテナ

★★★さいとうちほ・ビーパパス(原作)のマンガ。押山美知子の『少女マンガ ジェンダー表象論』によれば、これは王子様探しの物語ではなく、自分が王子様になるというあたりに一つの女性のあり方を提示している作品なのだという。まぁ、そうかもしれない。ま…

臨死!! 江古田ちゃん

★★★★瀧波ユカリによる21世紀日本の高学歴(大卒です)女性の夢と現実を知らしめる問題作!西武池袋線の江古田あたりに生息する昼は保険オペレータ、夜はギリギリ風俗のバイトで食いつなぐ北海道出身の24歳、それが江古田ちゃんである。家では束縛と洗濯の…

少女ファイト

★★★★日本橋ヨヲコの人気コミック。一昔前のスポ根、どこか「巨人の星」あたりをも思わせるバレー漫画。しかし、私にはどうも「狙い過ぎ」であるような気がして素直に評価できないのだ。今までのマンガをずらしつつ、しかし、いいところは取り入れつつ…こう書…

海街diary

★★★★★吉田秋生が現在、「月刊フラワーズ」に連載中のコミック。鎌倉に住む3姉妹+腹違いの妹の4人が繰り広げる海街のマンガ。末妹は女ながらサッカーの名選手で…などと書いていくと、いかにもありそうな話だなと思われるかもしれない。たしかに、ありそう…

ハンサムな彼女

★★★★吉住渉の人気マンガ。80年代に連載が始まっているだけにファッションもなんだし、舞台となっている芸能界をめぐる状況も変わっていて、そのへんが色あせているのはしょうがない。しかし、さすがは吉住で、最初の設定からどんどんとズレていっていなが…

ビューティフル・ワールド

★★★森本里菜が自らの経験なども織り込みつつ書いた留学ラブコメ(借物です!)。作家自らが外国に頻繁に足を運んでいることからして、そこで起こる出来事やら文化の違いによるギャップ等々をうまく取り込めていると思う。でも、「りぼん」の年齢を大きく越え…

水木しげる伝

★★★★水木を妖怪の世界に誘ったというのんのん婆の話をはじめ、おどろおどろしい妖怪話が続くのかと思ったが、むしろダメダメな少年時代、そして戦争体験、紙芝居から貸本屋、マンガ家と喰うために描いていた頃の話が山場だと言えると思う。戦争に反対だとも…

G.I.D.

★★★★庄司陽子による性同一性障害を扱ったモーニング連載のマンガ。心理的、社会的なネタにも挑む意欲作で、なかなか読ませるが、手術を終え、父との和解、香との結婚… というあたりになってくると、ほとんどマンガとして連載する意味のない内容になっている…

Yesterday, Yes a day

★★★★岩本ナオによる胸キュンマンガ。ジェーン・バーキンの歌のタイトルにちなんだ作品… なのかどうかわからないが、新しい才能なのだろうとは思う。岡山のイナカを舞台に、少年少女たちがあどけなく、ださカッコよく生きているところを上手く描いていると思…

鈴木先生

★★★★ついにこのおばかなブログも設立1年。入院その他で抜けた日もあるけれど、ほぼ毎日更新を続けて参りました。というわけで、ネタも尽きてきたし、仕事も溜まってきたので、これからは不定期更新ということにしたいと思います。で、まずは武富健治の先生…

G戦場ヘヴンズドア

★★日本橋ヨヲコによる熱くてテンションの高いマンガ家根性もの。が、あざとくてあまり好きにはなれない。新人はどぎついくらいに個性を主張しておかないとデビューを飾れないものだというのは、よく思うことだが、この「テンションの高さ」は、どうも間違っ…

グリーンヒル

★★★古谷実の初期作品。おそらくは3巻で連載打ち切りになったのだろう。ギャグもの最後のこの作品は、wikipediaによると「ギャグ路線を維持するも”めんどくさい”という誘惑に押され一見人生を無駄におくる主人公の姿がより明確なメッセージとともに描かれて…

河童の三平

★★★★★水木しげるの代表作の一つ。あきれるばかりのおもしろさであった。遙か昔に通読したことはあったのだが、新たに読み直して驚くことが多かった。「ストトントノス七つの秘宝」という話は、秘宝を求めて敵の中を進んでいくという、今のマンガにもよくある…

のらくろ伍長

★★★★田河水泡の戦前戦中マンガ。私にとってのマンガの出発点は、手塚じゃなくて、「のらくろ」だったりする。もちろんオンタイムじゃないですよ。70年代になんだか復刻が出回ったのである。最近もアニメでやっていたようだけれど、70年代にも一度、アニメに…

高校デビュー

★★★★河原和音の人気コミック。ソフトに明け暮れた元スポーツ少女の晴菜が、もてたい一心でイケメンのヨウに弟子入りするというストーリー。こんなことはありえません!あるわけはないけれど、「サトラレ」と同じで、もしそんなことになったらどうなるんだろ…

しんきらり

★★★★やまだ紫のリアル中年女性漫画。絶賛はしないけれど、というのも、中年主婦の心情というのを自分自身ではリアルに感じたことがないから…しかし、ダンナがいて、子どもがいる人にしか描けないマンガであろうと思った。ということは、ダンナがいて子どもい…

ご近所物語

★★★矢沢あいのアニメ化もされた作品。しかし主人公がどうも好きになれないということからか読むのが苦痛だった。最後の方になってようやく「パラキス」的なスポ根になっていって読めるようになったのだけれど。ファッションありラブありコメありドタバタあり……

夏目友人帳

★★★★緑川ゆきによる妖怪マンガ。「百鬼夜行抄」に 限りなく似ている気がするけれど、やはり全くの別物。人間というもののサガを知り尽くしている… という感じは今市子に及ばない気がするけれど、それでも丹念に妖怪たちを描き、そんなありもしない存在と心を…

あさきゆめみし

★★★★★大和和紀による源氏物語。ずいぶん時間をかけて読んだ。なんせ歌も一首一首、人間関係も系図を確かめながら読んでいたからね。それにしてもとても充実した読書であった。大和和紀もえらいが、なんといっても紫式部がえらい!平安時代以来ハマった人が続…

ホワイト・ガーデン

★★★★獣木野生の短編集。誰が持ってきたのかわからない本を、会議の合間に読んでみた…1980年代後半にウィングス等に発表された短篇を集めたもの。少女マンガ版の諸星大二郎といったところだろうか。オーストラリアでの生活経験も長いためか、海外でも違和…

とりぱん

★★★★★とりのなん子がモーニングに連載している鳥マンガ。鳥をテーマにしているのが目新しいが、好感を持てるのは、それがペットではないこと。そして限りなく金がかかっていないことだ。なんせ金はパンの耳代くらいしかかかっていない!どこぞの高級鳥を育て…

陰陽師

★★★★★岡野玲子・画、夢枕獏・原作による「高級」マンガ。一世を風靡した作品ということで敬遠していた。都のゴーストバスターズとでもいった感じにロマンでスペクタルな、あるいはイケメンがクールなマンガだとばかり思っていたからだ。もちろん妖怪だの呪い…

翔んだカップル

★★★★柳沢きみおのラブコメ。今は「新」があったり「21」があったりするけれど、私は初代を知ってるんです(というか、初代しか知らない)。私がコレを推奨したいのはこのマンガが少年ラブコメの最初の成功作だと思うから。今は、少年誌にラブ&SEXはた…

わにとかげぎす

★★★★古谷実が現在連載しているマンガ。もう、こういう無精ヒゲを生やしたようなダメ男の話というのも、定番化しつつある。いや、定番にしたのはなんと言っても古谷の力だと思うので、それは素直にエライと思う。ただ、どの話にも、必ずダメ主人公を支えてく…

地球を呑む

★★手塚治虫の中編サスペンス。おもしろくないことはないのだけれど凡作だと思う。絶世の美女ゼフィルスが男たちを破滅に追い込むというストーリー。ゼフィルスというのは蝶の名前、その造型は「人間昆虫記」に近い。これが手塚の昆虫観なのだろう…しかし、人…